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Lord of Magic Championships 2005


ボロスのヒーロー――ドラフト全勝者の赤白

Written by Yusuke Yoshikawa

LoM2005 のドラフト 6 ラウンドを全勝で駆け抜けたプレイヤーは 4 人。

いずれ劣らぬ強豪ぞろいでだが、その中で二人――射場本正巳と岩田太――が「赤白決め打ち」を勝因として挙げてくれた。

そこで本稿では、「ボロス」の名を冠した赤白デッキの強さと、その必要パーツをまとめてみたい。

これを読めばあなたも赤白マスター?


「すぐおいしい、すごくおいしい」とは某食品のキャッチフレーズだが、射場本いわく、赤白は「すぐゲーム終わる、すぐ勝つ」。つまりはウィニーだ。

1 マナ帯から攻めることができ、重いデッキにありがちな「マナだけ引く」「重いところだけ引く」ということがないのは、ウィニーとして存在していることの最初の利点だ、と射場本は言う。

岩田も「ギルドカラー(現在は赤白、白緑、緑黒、黒青)の中では最強」と賛同する。その理由として、「他の色の人には見向きもされないカードが(必要カードに)多い」と彼は挙げた。

軸がウィニーである以上、必要カードは軽量クリーチャーがほとんどとなる。岩田は《売剣の粗暴者/Sell-Sword Brute》を例に挙げたが、他の色をやっていてこれを取ろうという人はそういないだろう。安いカードで構成できる、これはドラフトでのなによりの利点である。

Thundersong Trumpeter

二人が共通に必須カードとして挙げたのが《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》。2 マナでパワーが 2 あるうえに、あらゆるブロッカーを無効化することができる主軸だ。

それを《正義の再興/Rally the Righteous》で起こして殴る。シンプルだがそれゆえに明快な勝ち筋。射場本は「この部分ができていれば他がどうであっても大丈夫」と自信を持つ。

ウィニーだと攻めの細さが気になるので、恒久的にダメージを通すことができるクリーチャーもまた必要となる。

《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》はその最たる例だが、《金切り声のグリフィン/Screeching Griffin》《野良剣歯猫/Sabertooth Alley Cat》も十分その代役を務めることができる。これらは総じて安い。それは先ほども挙げた利点とも共通する。

相性の問題もある。ラヴニカはわりと大型のクリーチャーが多いセットだが、それらの天敵になるのが《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》だ。高コストをつぎ込んだクリーチャーもこれで相打ちを取られ、しかも必要に応じて戻ってくるとあっては、守りのデッキを支持したくもなる。

だが、白赤はこれに負けないのが利点だ、と岩田は言う。先に挙げた《金切り声のグリフィン》《野良剣歯猫》《臭い草のインプ》を自力でかわせるし、《尊い祖霊/Benevolent Ancestor》のサポートを受ければもはや気にする必要もない。そうした構造を内包しているからこそ、攻めのデッキとして存在できるというわけだ。

相手のレア・大物は《焦熱の結末/Fiery Conclusion》で除去したり、《恐慌の扇動/Incite Hysteria》で無効化する。岩田は余りマナが活かせるから《巨石の罠/Cyclopean Snare》もおもしろいと言っていたが、まさに「残りがなんであっても、十分戦える」(射場本)のである。

除去は必要だが、なくてもなんとかなる。《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》もあるに越したことはないが、優先順位を低くできるという。

ドラフトのコツは、「下に白をやらせないこと」(岩田)。できるだけ早い段階から白いカードを絞り、2 パック目でのカードの流れを良くする。そのためには、初手やかなり早い段階からの決め打ちが必要になるだろう。

同キャラ対策には、《ゴブリンの洞窟探検家/Goblin Spelunkers》での突破や、《雷楽のラッパ吹き/Thundersong Trumpeter》対策としての《火花魔道士の弟子/Sparkmage Apprentice》《燃えさしの雨/Rain of Embers》などがある。余裕があれば準備しておくとよい。


しかし、このアーキタイプも万能ではないことは、賢明な読者の方々はすでにお分かりだろう。

強いことが知られれば人気が高くなり、カードを集めるのが困難になる。この赤白のように、不人気を逆用したカード集めを行うのならなおさらだ。

射場本の言葉を借りれば、「ただ、今はまだカードの強さや棲み分けが浸透してないけど、これからドラフトが進んでいけば(相対的な)強さは落ちるだろうね。卓に 2 人が限度」となるのは必定なのだ。

岩田もまた、「やられ始めるとみんな気づくと思いますよ」と和する。


時代のあだ花になるか、これを昇華してさらに面白いドラフティングテクニックが現れるか。

いずれにせよ、軽快なビートダウンが組みあがって回せたときは非常に楽しい。

まずはドラフトを楽しんでみよう。

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