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Lord of Magic Championships 2005


ギルドの都の歩き方(ドラフト編)

Written by Yusuke Yoshikawa

KJ : 鍛冶友浩

10 月は新セットの季節であり、ドラフトもまったく新しいものに入れ替わる時である。今シーズンは、日程の関係ですぐにリミテッドのプレミアイベントが控えているわけではないとはいえ、プレイヤーとしては新たなドラフトのテクニックに興味が惹かれるものだろう。

また、ラヴニカは「ギルド」という概念が導入されたセットでもある。考えようによっては、明確にデッキコンセプトが提示されたということでもあり、これにプレイヤーがどう対処していくかも見所となるだろう。

今回は、KJ こと鍛冶友浩の今世界の「案内役」に、彼のドラフトを振り返ってみることを本稿の趣旨としたい。まずは彼のデッキをご覧いただこう。

Draft Deck (2-0-1) - Kaji Tomohiro / LoM2005 1st Draft
 2  護民官の道探し/Civic Wayfinder
 1  占い棒使いのシャーマン/Dowsing Shaman
 1  エルフの空掃き/Elvish Skysweeper
 1  ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll
 1  光と成す者/Transluminant
 1  ウルサパイン/Ursapine
 1  鐘塔のスフィンクス/Belltower Sphinx
 1  噛みつきドレイク/Snapping Drake
 1  ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser
 1  議事会の密集軍/Conclave Phalanx
 1  古参兵の武具師/Veteran Armorer
 1  ケンタウルスの護衛兵/Centaur Safeguard
 1  セレズニアの福音者/Selesnya Evangel

14 Creatures 1 ディミーアの印鑑/Dimir Signet 1 テラリオン/Terrarion 1 腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak 1 強迫的な研究/Compulsive Research 1 巻き込み/Convolute 1 空想の飛行/Flight of Fancy 1 立ち退きの印/Mark of Eviction 1 信仰の足枷/Faith's Fetters 1 花粉光の羽/Pollenbright Wings
9 Spells 8 森/Forest 4 平地/Plains 4 島/Island 1 セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary
17 Land 40 Total Cards
 1  花粉光の羽/Pollenbright Wings
 1  早変わり/Quickchange
 1  収斂の冠/Crown of Convergence
 1  ガラスのゴーレム/Glass Golem
 1  焦熱の結末/Fiery Conclusion
 1  スマッシュ/Smash
 1  ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail

7 Sideboard Cards

2 枚の《護民官の道探し/Civic Wayfinder》が安定感を醸し出し、レアパワーも《ウルサパイン/Ursapine》で万全……のように見えるが、その実、微妙に決定力が足りず、すべてのマッチで苦闘を強いられることになる。

それは本人も感じるところであったようで、不満はあるものの、なんとか無敗で切り抜けられたことに安堵を感じているようだった。

ここからは、鍛冶のコメントを交えながら、色決定の分岐点となる序盤を中心に、キーとなるピックを振り返ってみる。

Pack 1

Moldervine Cloak

初手:《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》

鍛冶も緑にこだわりがあったわけではなく、むしろ人気色ゆえに避けたい気持ちのほうが強かったというが、他のカードも強くなかったため、この強さなら文句なし、というべきか。

……実は、《寺院の庭/Temple Garden》(=白緑のレア土地)が同梱されていたのだが、さすがにこっち。それはあながち冗談ではなく、例えば Magic Online であるなら、レアのピックとデッキの強さのバランスを取ることは現実的な問題であると考えられるのだ。


2 手目:《立ち退きの印/Mark of Eviction》

その他の選択肢:《ディミーアのギルド魔道士/Dimir Guildmage》

鍛冶の表現を借りれば「いつも強い」。この後ピックすることになる《ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser》《護民官の道探し》《空想の飛行/Flight of Fancy》などあらゆるクリーチャー・オーラとシナジーを成す。これは筆者にとっては驚きだったが、言われてみれば納得の選択である。


3 手目:《護民官の道探し/Civic Wayfinder》

その他の選択肢:《叫び回るバンシー/Keening Banshee》

まだ色が定まっていない段階、除去兼飛行クリーチャーを取る手もまだあったと思うが、鍛冶は「かみ合い優先」。


4 手目:《ヴィダルケンの放逐者/Vedalken Dismisser》

鍛冶いわく、(神河ブロックで)「《霧女/Kiri-Onna》が強かったのと一緒」。実際のゲームでも、その効果は大きくコストの重さはじゅうぶん納得できるものだった。ライブラリの上に戻すということは、カードアドバンテージを得ていることにもなる。

これからの青の主軸を担うか。


5 手目:《光と成す者/Transluminant》

「この辺で緑白タッチ青を意識した」。純粋な多色カードではなく、起動コストに他の色マナを含んだり、能力が他の色向きであるカードから色の渡りを意識することが大切だと読み取れる。


6 手目:《占い棒使いのシャーマン/Dowsing Shaman》

「この環境で 3/4 というサイズもえらい」。また、「どうせエンチャントは出る」とも。この時点でもう 2 枚取れているオーラ・カードを活かし、今後のピックの価値も上げる選択である。


7 手目:《焦熱の結末/Fiery Conclusion》

ここまで赤のカードには手をつけていないが、除去が余ってくるとなれば意識せざるをえないだろう。


8 手目:《巻き込み/Convolute》

「困ったときはカウンター」。4 マナはさすがに厳しいため、半確定カウンターとして使えていた。

Pack 2

1 手目:《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》

他に強いカードがなかったとはいえ、このレアは「たいしたことなかった」というのが鍛冶の感想。レアパワーもいいが、他のカードとのシビアな比較が必要なのだろう。

Pack 3

1 手目:《ウルサパイン/Ursapine》

さすがにこれは文句なし。盤面の支配力が違う。このデッキの、数少ない直接的な勝ち手段となった。


2 手目:《収斂の冠/Crown of Convergence》

盤面を大きく変え、ドローの質を向上させる可能性を持つカードだが、「タッチ白だと使いにくいかも」。ある程度デッキを選ぶ?


その他のピックにもコメントをもらった。


《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》

「緑白が 1、2 色目なら」。強力なカードではあるが、トークン生成には時間がかかるため、序盤に出したいことからこのコメントになった。緑か白が 3 色目なら格下げか。

《ガラスのゴーレム/Glass Golem》《早変わり/Quickchange》

「フィアー(畏怖)対策」として。この環境の畏怖は意外と止めにくいので、特に緑白・緑青では意識してみる必要があるか。


「緑は強いけど、みんながやったら意味ない」

というのが鍛冶の認識の様子。今回は結果的に緑になったものの、やはり隣と色が被ったことが不満ではあるようだった。

各色をバランスよくプレイするタイプのプレイヤーにとって、他のプレイヤーに人気の色・不人気の色をつかむことは非常に大切だ。もちろん、それが極端に作用すると、おかしな色の偏りがまた発生してしまうことはあるのだが、まずは基本的な傾向をつかむと、ドラフトは格段にやりやすくなるし、楽しくなるだろう。

番外コメント

《スマッシュ/Smash》はメインでいいのでは」

今回は赤でないため関係なかったが、いちおうカットしてあったカードについて一言。なるほど、今回は《~の印鑑/... Signet》など気軽に場に出せるアーティファクトも多いため、これは一考に価するのかもしれない。

Tags: Feature

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